冬季うつ光トポグラフィー検査

冬季うつ病は光トポグラフィー検査で診断する

鬱病検査

日本人の約16人に1人が一生のうちに一度は罹るという鬱病。
ここ10年で患者数は2倍以上に急増しています。
しかも、子供の鬱病や冬にだけ発症する冬季鬱病があります。

 

2013年、厚生労働省は、癌、心臓病、脳卒中、糖尿病の四大疾病に、
新たに鬱病などの精神疾患を加え、五大疾病としました。

 

発症してしまうと治るまでに時間がかかり、
半年から一年以上、中には十年以上かかるという人も…。

 

さらに、自殺者の約3割は鬱病が
原因と推定される恐ろしい病気。

 

鬱病は中高年の人が罹る病気と言われていたんですが、
最近では若い人でも増えているんです。

 

鬱病はどんな人が罹る病気だと思いますか?
真面目で几帳面で責任感が強くて周りに
気を遣う人が罹りやすいと思いますよね?

 

一方、自己中心的でストレスフリー人は
罹らないと思われるかもしれませんが、
実は違うんです。

 

誰でも罹りうる病気です。
心が強いとか弱いとかは関係ありません。

 

鬱病とは、強い憂鬱が二週間以上ほぼ毎日一日中続き、
何も楽しいと感じる事ができず、
眠れない、食欲がない、無気力になるなどの身体症状が現れ、
日常生活に支障を来たす病気です。
症状が重くなると自殺願望を抱く事も…。

 

鬱病は、日本人の約16人に1人、
つまり、6世帯の中の一人が一生のうち一度は罹るという身近な病気。

 

過労やストレス、環境や人間関係の急激な変化など、
様々な要因で発症すると言われていますが、
鬱病は脳の病気だと考えられているのです。

 

強い不安や恐怖を感じると偏桃体が過剰に働き、
全身にストレスホルモンが大量に分泌されます。
この状態が長期間続くと
脳の神経細胞に栄養が届かなくなり、
脳の萎縮や意欲の低下に繋がってしまいます。

 

鬱病はノルアドレナリンや
セロトニンが枯渇した状態です。
慢性的なストレスはノルアドレナリンにも
セロトニンにも影響を及ぼします。
ノルアドレナリンやセロトニンは
生成速度に限界があります。
生成量を上回る分泌量の状態が続くと
やがて枯渇してしまうのです。
鬱病の状態ではノルアドレナリンや
セロトニンの生成速度そのものが
低下するのでなおさら枯渇しやすくなります。

 

セロトニンが不足すると気分が憂鬱になります。
「何もしたくない」
「布団から出たくない」
「このままずっと寝ていたい」
と感じるようならセロトニン神経が弱っている証拠です。
セロトニン神経が弱っている状態が長期化し、
セロトニンの分泌が悪化すると
鬱病を引き起こしてしまいます。

 

人間の感情や意欲はすべて脳の中でコントロールされています。
感情や意欲などに関わるセロトニンなどの
神経伝達物質が細胞から細胞へと伝わっていく事で、
情報が脳から体へと伝えられるのです。

 

しかし、ストレスや心身の疲れによって
神経伝達物質の量が減少し、
情報がうまく伝わらなくなると、
鬱状態になると考えられています。

 

すると、気分が落ち込み、
嬉しい事があっても喜べないなど、
感情がなくなり、
無表情になったり、
何もする気が起きなくなってしまうのです。

 

鬱病は、熱を測るとか、血圧を測るとか、血糖値を測るとか、
そういう数値で現れるものではありません。

 

例えば、二週間以上ほとんど一日中憂鬱で憂鬱で仕方がない、
好きだった事も全くやる気がしない、そんな事がずっと続くという、
そういう診断基準がきちんとあるんですね。

 

ただ、そうは言っても患者さんは恥ずかしくて全部言わない人もいるし、
実は鬱病の診断というのは本当はとても難しいんです。

 

最近は心療内科やメンタルクリニックが結構あちこちにありますので、
ためらわず早く受診されてみて下さい。

 

鬱病は人に相談しずらい事もあり、
勘違いして、さらに不安になる患者さんも多いです。

 

そこで、鬱病の新常識を三つ紹介します。

 

鬱病の新常識@

鬱病に罹りやすいのは女性なんですね。
2011年の厚生労働省の調査なんですが、
鬱病、躁鬱病などの総患者数は、
男性37.4万人、女性58.4万人。
女性は男性の約1.6倍です。
女性特有の鬱病というのがあるんですね。
妊娠であるだとか、出産の疲れ、産後鬱病、育児の不安、更年期鬱病…。
ただ、鬱病が原因とされる自殺の率は、実は男性の方が高いんです。

 

鬱病の新常識A

従来の鬱病と異なる症状の非定型鬱病。
最近、よく聞く新型鬱病は実はメディアが作り上げた言葉で、医学用語ではないんです。
非定型鬱病と従来の鬱病では、全く逆の症状が現れる事もあるのです。
従来型の鬱病は、食欲がなくなり、体重が減少する傾向にありますが、
非定型鬱病は、逆に食べる事で、不安を抑えようとする傾向があります。
従来型の鬱病は、不眠が主な症状として現れる事が多いのですが、
非定型鬱病の場合、全く逆で、寝ても寝ても眠いといった症状が現れます。
従来型の鬱病は、どんなに好きな事でもやる気が出ないのに対し、
非定型鬱病は、どんなに落ち込んでいても楽しい事がある時だけは多少元気になります。
そして、日常生活に戻ると、再び鬱状態に陥ってしまうのです。

 

鬱病の新常識B

鬱病の予防法は朝の習慣にあります。
心身を安定させる物質セロトニンは、
朝の習慣によって増やす事ができると考えられています。

 

鬱病を予防する朝の習慣

  1. 朝日を浴びて
  2. 散歩をして
  3. 魚を食べる

 

朝、太陽を浴びる。

それがセロトニンの分泌を活発にすると考えられています。
それだけではありません。
朝の光には生活のリズムを整えるという効果もあるので、
心身の健康にとても良いんです。

 

冬だけ症状が現れる冬季鬱病が結構多いんですよ。
冬季鬱病は冬の日照時間が短くなる事と関係があると考えられています。
そのため、春になると自然に良くなるのです。
日の光を浴びる所謂光療法は有効な治療法と言われています。

 

散歩をする

ウォーキングやジョギングなど、有酸素運動をすると、
それもまたセロトニンの分泌を促進するのではないかと考えられています。
アメリカの研究の結果、有酸素運動をちゃんとする人たちは、
鬱病の発症リスクが低いというデータもあるのです。

 

魚を食べる

鯖、鰯のような青魚の脂に含まれる不飽和脂肪酸のEPA、DHAも、
セロトニンを活性化すると考えられています。
フィンランドの調査では、魚をよく食べる人たちは、
あまり食べない人に比べて鬱病に罹る危険性、
自殺の危険性が少ないという事が報告されています。
勿論、魚だけ食べればいいというものではないですよ。
バランスの取れた食事というのが大切だという事です。