ヴィタミン不足が鬱病を招く
脳は、全エネルギー消費の20%を占める大食いの臓器です。
この大量のエネルギーを作るのに活躍するのが、ヴィタミンB群です。
ヴィタミンB群が短時間でも不足すれば、
すぐに脳の働きは低下します。
血液によって脳内に運ばれたアミノ酸が、
神経伝達物質に作り変えられる時に、
補酵素として不可欠な栄養素がヴィタミンです。
ヴィタミンB群とは、ヴィタミンB1、B2、B6、B12、
ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの総称です。
これらの栄養素は単独ではなく、複合的に働きます。
ヴィタミンB群の最も重要な働きは、
神経伝達物質の合成に関わっているという事です。
特にヴィタミンB6は、蛋白質がGABA、ドーパミン、
セロトニンに作り変えられる過程で、必要不可欠です。
私たちの体は、副腎からコレステロールを原材料にコルチゾールを分泌して、
ストレス対策を講じるというメカニズムを備えています。
このコルチゾールが働く際に必要不可欠な栄養素がヴィタミンB6です。
つまり、ヴィタミンB6はストレスによって消費されてしまう訳です。
ヴィタミンB6が不足すれば、セロトニンの生産が落ちてしまいます。
ヴィタミンB12が不足すると、
感覚が鈍くなり、思考力が落ちてしまいます。
ヴィタミンB群は糖質に含まれるブドウ糖を代謝する過程でも使われます。
糖質を過剰に摂取すると、低血糖になりやすくなるだけではなく、
ヴィタミンB群の不足にも繋がります。
腎臓の隣にある副腎は、高濃度でヴィタミンCを蓄えられます。
副腎は、多種類のホルモンを作り出す内分泌器官です。
それらのホルモンの中には、ストレスに打ち勝つためのものもあります。
ヴィタミンCが欠乏すると、興奮系の神経伝達物質の分泌量が不足し、
結果、ストレスに対する耐性が弱くなります。
葉酸は鬱病と深い関連があり、
葉酸を摂取する事で鬱病が改善するという報告もあります。